ハリネズミの歯肉炎
ハリネズミにとって、お口のトラブルは非常に身近な問題です。特に「歯肉炎」は、シニア期に入る頃から多くの個体で見られるようになります。一見元気そうに見えても、実はお口の中に痛みを抱えているケースも少なくありません。
症状
歯肉炎が進むと、日常生活の中で以下のようなサインが見られるようになります。
- 食べ方の変化:急に硬いフードを避けて柔らかいものだけを食べるようになったり、食べるスピードが極端に遅くなったりします。
- お口周りの違和感:前足でお口の周りをしきりに気にしたり、よだれが増えたり、口臭が強くなったりします。
- 出血: 食べ物や飲み水に血が混じることがあります。また、歯ぐきが赤く腫れ上がり、見た目にも変化が現れます。
原因
歯肉炎が起こる主な原因には、日々の食生活や加齢が深く関わっています。
柔らかいご飯(缶詰など)を主食にすると歯石が付着しやすくなり、歯肉炎の原因となります。一方で硬すぎるご飯も歯茎を刺激し続けることとなり、慢性的な炎症の原因になると考えられています。
また、加齢とともに歯茎が盛り上がることが多く、そこから炎症が悪化し、歯肉炎へと移行することもあります
検査
まずは視診で歯茎の赤みや腫れ、歯石の付着具合などを確認します。さらに炎症が歯の根っこ(歯根)まで及んでいないか、顎の骨に異常がないかを調べるためにレントゲンやCT検査を実施します。また、治療で切り取った歯肉の一部用いて病理検査を行い、腫瘍との区別を行います。
治療
治療の目的は口の痛みを抑えて、満足にご飯を食べることができるようにすることです。内科治療では、細菌を抑える抗生剤や炎症止め、痛み止めのお薬を使用します。重症の場合には歯石除去やレーザー治療などの外科治療が必要になります。
また、痛みがひどい場合はお口への負担を減らすために、食事をふやかしたご飯や栄養価の高い流動食に変更します。病院での処置と並行して、その子の状態に合わせた食事内容に見直していくことが、再発防止において非常に重要です。
受診の目安
お口のトラブルは放っておくと、痛みでごはんが食べられなくなり、急激に体力が落ちてしまいます。ご飯を食べない、口から出血がある場合だけでなく、硬いものを食べなくなった、口臭が気になるという場合も受診をお勧めします。
まとめ
「年だから食べるのが遅くなったのかな?」と思っても、実は治療可能な歯肉炎が原因であることも多いです。当院では、怖がりなハリネズミさんでも負担が少ないよう配慮して診察を行っております。少しでも「おかしいな」と感じたら、手遅れになる前にぜひ一度ご相談ください。



