フェレットのインスリノーマ
■症状
軽度の場合は低血糖に伴う活動性の低下や睡眠時間が長くなるなど、加齢に伴う生理的な変化と似たような症状が認められます。
それ以外の症状として、よだれの量が多くなる、ふらつきながら歩く、眼がうつろになるなどの症状を認めます。
重度の低血糖に陥った場合は、全身性の痙攣発作を起こす場合があります。同時に、鳴き叫んだり、呼吸が早くなるなどの症状を認める場合があります。
■検査
血液検査による血糖値の低下やインスリン濃度の上昇を確認します。
腫瘍が大きい場合は腹部超音波検査で膵臓腫瘍を確認することができますが、通常は確認することができない場合がほとんどです。
治療目的で外科的に膵臓腫瘍を摘出する場合は、病理組織検査で確定診断を行います。
■治療
インスリノーマの治療は大きく分けて
①食餌管理②内科治療③外科治療
に区別されます。
①食餌管理について
内科治療や外科治療と同時に実施する基本的な治療です。
食餌は良質な動物性タンパク質や脂肪を多く含んだフェレットフードやキャットフードを用います。
1日を通して定期的にしっかりと食べていることを確認します。
高齢の低血糖に陥ったフェレットは睡眠時間が長くなることが多く、寝たままで4~6時間経過している場合は、フェレットを起こして飼い主様が給餌を行う場合があります。
また、糖分を多く含むようなフェレットバイトなどのおやつは、糖類の摂取による血糖値の急激な上昇により、インスリンの放出が促進され、結果として急激な低血糖を引き起こす可能性があるため、なるべく避けましょう。
②内科治療について
食餌管理により低血糖を改善できない場合や頻回の給餌が困難な場合、外科治療が実施できない場合に行います。
血糖値をコントロールし、低血糖による症状をうまく抑えることが治療の目標となり、腫瘍自体の進行を抑えるものではありません。
血糖値を上昇させる目的でステロイド薬であるプレドニゾロンを使用します。
プレドニゾロンのみで血糖値や症状のコントロールが難しい場合、肝臓疾患の併発や副作用が懸念される場合に腫瘍からのインスリンの放出を抑える目的で、ジアゾキシドというお薬を使用することもあります。
③外科治療について
内科治療と比較して生存期間の明らかな延長が認められることが報告されており、症例の状態が落ち着いているかつ、麻酔や手術に耐えられる状況であれば、治療の第一選択になります。
外科的治療を行った場合でも、正常な血糖値を長期間維持できることは少なく、6ヶ月以内に内科治療や2回目の手術が必要になる場合があります。そのため、外科治療は根本的な治療ではなく、低血糖の改善、うまくいけば長期間の休薬状態を維持することを目的に行います。
■まとめ
インスリノーマの初期症状は加齢による生理的な変化と似ています。そのため、定期的な血液検査などで健康状態を把握することが病気の早期発見・治療に繋がり、長期的な管理が可能となります。
ご不安な点があれば、早めの受診をオススメします。



